G.E.(grace enlargement)

Composite Artist Team
制作中。

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#XObar さんにて読んだ物語全編

『虹の始まり』 作 ワタナベタクヤ( @sugar_thought)

『虹の始まり』

ねぇいま何時くらいかしら。 ここには時間を切り刻むナイフも、 計る天秤もないものだから。 勝手気ままに時間という ワーカホリックの大食漢は 羽を伸ばしてゆっくり食事する。 いま何時くらいかしら。 忘れないうちにだれか教えてくれない? 例えば真夜中、 眠れない夜の事。 一人きりで泣いている子供は、 朝まで一体どのくらいの時間を 体験するのかしら。 大人になると忘れてしまう。 忘れることが許されているから。 みんな、忘れてしまう。 ねぇ、愛し合えばなにかが変わるかい。 あらゆる口を閉ざしても、 ここではなお私が一番騒がしい。 溜息も寝息も止めることが出来 たらいいのに。 なぜ、身動きが取れないくらい身体が軽い。 そうだ、思い出した。 私は確かにあの時、音も無く、死んだのだ。

もう動かなくなった身体から 一匹の蛆が顔を出す。 紳士面をした一匹の蛆が。 そして私に挨拶する。 ご機嫌いかがお過ごしですか、天使さん。 私は時間の野郎の手伝いをするような 下賎な蛆ではありません。 もっと立派な蛆なんです。と。 天使さん、私としばらくお話ししましょう。と。 声にならない声で私は蛆に反駁する。 私は天使などではない。 ただの死体なんだ。 お前は私をむさぼり、 むせ返る匂いの中で、 私を喰い尽くせば良いんだ。 醜く雨風にさらされる、 沈黙した死に変えてくれれば良いのだ。 変えてくれ、変えてくれよ!変えて欲しいんだ。 それから時計の針では 刻むことのできないような時間が経った。 一千一秒。 数えられない一千一秒。 星さえ知らない時間の果てまでの距離。 一千一秒の間。 蛆は私の言葉をよそ目に 何も言わずに窓の外を眺めている。 まだ雨は続いている。 一体何時まで続くのか。 蛆は笑う。 雨が上がったら私と一緒に出掛けませんか?と。

そして蛆は私に尋ねた。 私に出来る事はありますか? あなたのために 出来る事を致しましょう。 それなら私はあの時 たしかに死んだはずでしょう? なのになぜ、 まだこうして苦しんでいるの? 教えてくれない? そしてお前が蛆なら 私を食べて骨にしてくれないか? いいえあなたは天使です。 死んだのではない。 だから私はあなたを 骨には出来ないのです。 お気付きになっていないだけ。 あなたは天使なのですよ。 その苦しみが故に、 あなたは天使なのです。

一千一秒の時が経った 巡り巡り始まりの朝へと向かう そしてまた一千一秒の時が経つんだ 時の計りを砂にして、 一千一秒の時が巡る 愛し合えば何かが変わるかい?

いつから降っているのか、 いつまで降っているのか。 まだ雨が続いている。 長い雨が続いてる。 一体いつまで降り続けているのか。 蛆よ、お前と違って雨は優しい。 雨は耐え難い沈黙を埋めてくれる。 私が天使だと言うなら なんで天国へ行く為の翼が無いのか。 蛆は答えた。 なぜなら天使は 地上にこそ必要なのですから。

一千一秒の時が経った 巡り巡り始まりの朝へと向かう そしてまた一千一秒の時が経つんだ 時の計りを砂にして、 一千一秒の時が巡る 愛し合えば何かが変わるかい?

それから蛆はこう言った。 あなたに何があったか 私には分かりません。 しかしどうでしょう。 私があなたの色彩を 食べてしまうというのは。 雨は世界の色彩を滲ませます。雨の匂いは 世界の溶け合う匂いなのです。 どうでしょう、 あなたの色彩を 私に食べさせて頂けませんか? 優しい夜、一千一秒、無限の一千一秒。 蛆は私の色を食べた。 肌の白、瞳の黒、唇の赤。 蛆は私を這って行く。 肌の白、瞳の黒、唇の赤。 少しずつ溶けて行く。 優しい夜が私を塗りつぶして行く。

一千一秒の時が経った 巡り巡り始まりの朝へと向かう そしてまた一千一秒の時が経つんだ 時の計りを砂にして、 一千一秒の時が巡る 愛し合えば何かが変わるかい?

愛し合えば何かが変わるかい?

長い夢を見ていた。 何の音も聴こえない。 夢の中で私は 狂気という名の女を演じていた。 身動きが取れないくらい軽いからだ、 色を失い透明になった身体に 月が透けている。 細い三日月が透けている。 もうすぐ消えてしまえるかしら 月の満ち欠けのように 私も解けてしまえるかしら。 蛆が私の耳元にやってきて囁いた。 もうすぐ朝です、もうすぐ朝です。 雨が止んだ、 お約束通り、私と一緒に出掛けましょう。

むせ返るような蒸し暑い空気、 誰も私に気付かない。 夜風だけが私の背筋を撫でて行く。 私たちは海に向かって歩き出した。 歩む速度は遅かったが 時が私たちより遅く歩いてくれたので すぐに海に着く事が出来た。 海は遠く広がっている。 空まで届いてしまうくらい。 静かな波の音に載せて 蛆は歌を歌っていた。 消え入りそうな小さな声で。

優しい女よ海に揺れ あなたの落とす涙は清く 悲しくとも悲しくとも 優しい女よ海を見て あなたの願う明日は遠く 悲しくとも悲しくとも それゆえあなたは天使になる。 傷付いた天使は歌がうまいと、 私は聴いた事がある。

空が海と同じ群青色に染まるころ、 鳥たちは目を覚まし歌を歌い出す。 そして鳥の歌を合図に 水平線から光が零れ出し、 その光景があんまり綺麗で 私は声を失った。 日の光が私たちを照らし出すと、 隣で寝息のような音を立てて 蛆は小さな口から糸を吐き出した。 光を帯びたその糸は 見る見る蛆を包んで行く。 糸が蛆を覆い尽くす前に、 蛆は言った。 あなたに色を頂いたお陰で こんなに綺麗な糸が出来ました。 何しろ天使の色ですから、 今度は私があなたに色をお返しします。と そう笑って 蛆は玉虫色の繭になった。 空が明るい青になり、 砂浜は白く輝き、 私にも、何にも色と影が宿る。 そして繭がゆっくりと動きだし、 ヒビが入り、 光の中で破けると 中から七色の光が溢れ出し 空と大地に架かった。 蛆は虹になったのだ。 そのとき、瞳を通って 私に新しい色が宿った。

蛆は虹になったのだ。

XObar本番

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6/10の詩を打ち合わせしてます

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練習なう

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練習なう @sugar_thought

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練習なう @knulupin

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くらエロ(暗くてエロい)朗読を女性が読むことに意義を抱えて挑もうと思いつつ朝からエロは大変なパワーなのですね!

明日は朝から @XObar_fesに向けて語りの @harumiK とSoul Creationsの二人(@sugar_thought @knulupin )で稽古致します!形になるにつれどきどきします。

6/10@渋谷,  Soul Creations feat. G.E.という形でイベント出演致します!生演奏×語りです!詳細決定次第お知らせさせて頂きます。乞うご期待!